Extra Fight集 〜年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません〜
やはり、デートの鉄板といえば絶叫系と、ネットの情報には書いてある。
ランドの絶叫系は、某富士山近くの幽園地のものよりはマイルドなので、子供でも楽しめるらしい。
……僕は……乗ったことは無かったが。
決して、怖かったから乗らなかった訳ではない。
ただ単に、心の準備が整わなかっただけだ。当時は。
でも、今は違う。

「涼介……どうしよう、ちょっと怖いかも」
「綾香、僕がついてるから」

とか言いながら、手を握りあって……。
それから……。

「ねえ涼介?」
「どうしたの?」
「……あのね、さっき絶叫に乗った時ね……涼介がすごく頼もしくて……」
「綾香……それって……」
「すごく、かっこいいなって思ったんだ」

とかとかとか。
もしそんなこと言われたら、僕……どうしよう。
キスしない自信がない。

「よし……絶叫は何がなんでも乗せよう」

万が一、綾香が絶叫苦手だったとしても……むしろその方が好都合かもしれない。
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