Extra Fight集 〜年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません〜
Extra Fight 7 テーマパークデートの主導権は誰が持つ?の巻 Side加藤
「加藤さん……」

ん……もう少し寝かせて……。

「加藤さん?」

だから、もう少し寝かせてって……。

「加藤さん!起きてください!!」
「え!?」

体を思いっきり揺さぶられて、僕はぱっと目を覚ます。

「あれ……綾香……?」

綾香の顔が、僕の近くにある。
あ……オフィスにいる時より、メイクがすごく可愛い。
特に唇の色が、今まで見たことがない、綾香の可愛さと色気を引き出している。
可愛い。
でも、その唇の色を、他の男に……河西なんかにでも見られたらと思うと、同時に腹も立つ。
僕の唇で隠そうと思い、綾香の頭をくいっと引き寄せた。

「こ、こんなところでやめてください!」

綾香は、僕の唇を手で塞ぐ。
どうしてそんなに恥ずかしがるんだろう?
いつもしているじゃないか、僕の家……で……って……あれ?
そこで、ようやく頭が冴えてきた。

「ここは……」
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