Extra Fight集 〜年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません〜

入場を済ませ、僕は綾香を入口近くの花壇近くに連れて行く。
よし。予定通りここで色々予約を……。
すでに入れてあった、スマホのアプリを起動する。
ランドに入った人間だけが使える、特別なアプリ。
アトラクションの待ち時間を知るだけではなく、アトラクションやレストランの予約もできる。
時間はずれたが……どうにか予約を……。
そう思い、自分のパークチケットを手に持った時だった。

ひょいっ。

「加藤さん、これ借りますね」
「え」

そう言うと、綾香がぱっぱっと自分のスマホに僕のパークチケットのQRコードを読み取った。

「チケットありがとうございます」
「あ……うん……」

綾香が僕にチケットを返すと、綾香は手慣れた様子でスマホを操作しながら

「あー……あのアトラクション、夜じゃないと乗れないかぁ……。もうとるか、えいっ」
「あ、綾香！？何して」

僕が急いで綾香のスマホを覗き込むと……。

【●ーさんのはちみつ大騒動】

という、僕が全く目をつけていなかったアトラクションの予約を入れていた。

「あ、加藤さん。このアトラクション超人気なので予約取っちゃいましたけど、よかったですよね」
「あ……ああ……」

満面の笑みで綾香が言うので、僕は頷くしかできない。