Extra Fight集 〜年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません〜
朝、メッセージを送らなかったことを後悔したのは言うまでもない。

「か、加藤さん……!?」

言われた時間より、早めにランドの入口についた私は、目の前の光景に絶句した。
想像だと、入場待ちの列が綺麗にできているはずだった。
いや、ほとんどはそうだった。
だけど、1箇所だけ何故か円になっていて、中心のものを覗き込んでいる様子。

一体、何が起きたんだろう。

興味本位で、つい覗いてみた。
まさかそこで、待ち合わせの相手がぶっ倒れているなんて夢にも思わず。

「あ、お知り合いの方ですか?」

ランドのコスチューム姿の人が私に話しかけてきた。

「あ……は、はい……」

あえて彼氏という言葉は使わなかった。

「お連れ様、少し前からこのような状態でして……」
「は、はあ……」
「体調悪いのかと思い、救護室に運ぼうかと思ったのですが」

そう言われてちらりと横を見ると、タンカーと、待機している救護スタッフらしき人が2名いた。

「どうも……お連れ様が来るまでここを動けない……というようなことを言っておりまして……」
「え、意識はあるんですか?」
「あ、はい……目が覚めては、また眠る……という状態の繰り返しでして」
「な、なるほど……」
「もう少しすると入場が始まってしまいますので、どうしようか考えていたところだったんです……」
「…………すみません…………」

私は、とりあえずこの状態を早く解消する方法はないかと、必死で寝起きでぼーっとした頭を働かせた。
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