Extra Fight集 〜年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません〜
こ、これは……!
彼女の試着に彼氏が付き合うという、デートあるあるの展開……!
僕が脱がせること前提の洋服じゃないのが惜しいが、綾香の「どう?」の言い方がずるい。

「……どう……と言われても……」

可愛い。
可愛すぎるじゃないか。
何だこの生き物は。
今すぐ持ち帰りたい。

どこかの誰かが、彼女に猫耳をつけさせるのが男のロマンだとほざいていた。
最初それを聞いた時は、ふざけた趣味だなと心のどこかで馬鹿にした。

だが、実際はどうだろう。
大好きな彼女が、動物の耳をつけている。
上目遣いで僕に似合ってるか尋ねてくる。
こんな、会社では絶対見ることができない姿……このままどこかに保管しておきたい。

と、思っていると

「黙ってるってことは……似合わないってことですよね……」

僕の無言を、また変な風に捉えた綾香が、寂しそうな顔をして耳を棚に戻そうとしていた。
< 42 / 58 >

この作品をシェア

pagetop