Extra Fight集 〜年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません〜
え?
何その顔。
耳はあんなに喜んでたのに。
どうしてTシャツだと、そんな暗い顔をするの?

僕が戸惑ってると

「あー!!加藤さん大変!」
「え?」
「もう、お昼の時間ですよ!早くお昼ご飯の場所、決めなきゃですね」

そう言うと、綾香は駆け足で店から出て行ってしまった。
Tシャツを僕に買わせたくない……そんな強い意志すら、綾香から感じてしまった。


綾香は……僕とペアルックになるのが嫌なのだろうか?
そう考えるだけで、胸がすごく痛くなった。
でも……。

「加藤さん!早く来てください!お昼ご飯の場所決めましょう!!」

満面の笑みで僕を呼ぶ綾香に、やっぱり僕はとても弱いので

「すぐ行く!」

と、手にしていたTシャツを元の位置に戻して、綾香の手を取るために走った。

まさか、このTシャツが、綾香の過去の男に関係してるなんて……この時は夢にも思ってなかった。

Next Extra Fightに続きます
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