Extra Fight集 〜年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません〜
すごっ……雰囲気めちゃくちゃ良すぎ……!
実は、海賊のアトラクションを乗る度に
「行ってみたいなぁ……」
とぼやいた場所でもあった。
ちなみにあまり良い思い出のない、例の元カレには、冗談半分で
「こことかどう?」
と提案してみたが、問答無用で却下。
そりゃそうだ。学生のお小遣いレベルで来られるような、安っちいところではないからだ。
そんな、憧れのレストランに……想定外のアクシデントとは言え、デートで入ることができたのだ。
しかも
「え、ほ、ほんとにこの席で良いんですか!?」
「はい」
可愛いコスチュームのお姉さんに食い気味で聞いてしまったので、加藤さんに若干引かれたかもしれないが、無理もない。
案内されたのは、アトラクションをしっかり見ることができる川岸の席に偶然座ることができたから。
まさに、特等席。
「随分楽しそうだね」
加藤さんからいつもの言葉が出てくるが、仕事中に良く聞く嫌味っぽい言い回しではない。
優しい、彼氏としての声だった。
「はい!めっちゃ楽しいです!」
あ……。
しまった……。
年甲斐もなく、はしゃいでしまった……。
加藤さんが目を丸くして私を見ている。
ど、どうしよう……。
そう思っていると、加藤さんが吹き出してから笑い出した。
「ちょっと……!何で笑うんですか!」
「いや……ほんと、予想を裏切らないね」
「ど、どういうことですか……!」
「君は、こういうロマンチックな場所、好きだろう?」
「そ、そんなことは……」
「本当に?」
「…………すみません、すっごい好きです」
私が降参すると、加藤さんは私の頭を撫でてきた。
「こ、こんなところで……」
「ごめん、我慢できなくなった」
何のだよ……!とツッコミたくなった。
だけど、いい加減注文を決めないといけないとも思ったので
「加藤さんのバカ……」
と、軽く仕返しだけしてから、置かれていたメニューに目を落とした。
1番上に書かれているコース料理は5000円。
私の服よりも高い……。
私はさすがにランチで5000円使うのは躊躇われた。
元カレと食べた未来エリアのファストフードでさえ、1000円程度だったが、それでも正直ちょっと高いな……ランド価格だな……と思ってしまう金銭感覚を持っている。
他にないだろうか……。
メニューの他のページを見ようとした時
「綾香、アレルギーないよね」
「え」
「まあ、僕が知らない情報があるなんて許さないけど」
「いや、確かにアレルギーはないですけど」
な、なんだ?
そう思った時だった。
「すみません、コース2つで」
加藤さんが光のスピードで注文を始めていた。
実は、海賊のアトラクションを乗る度に
「行ってみたいなぁ……」
とぼやいた場所でもあった。
ちなみにあまり良い思い出のない、例の元カレには、冗談半分で
「こことかどう?」
と提案してみたが、問答無用で却下。
そりゃそうだ。学生のお小遣いレベルで来られるような、安っちいところではないからだ。
そんな、憧れのレストランに……想定外のアクシデントとは言え、デートで入ることができたのだ。
しかも
「え、ほ、ほんとにこの席で良いんですか!?」
「はい」
可愛いコスチュームのお姉さんに食い気味で聞いてしまったので、加藤さんに若干引かれたかもしれないが、無理もない。
案内されたのは、アトラクションをしっかり見ることができる川岸の席に偶然座ることができたから。
まさに、特等席。
「随分楽しそうだね」
加藤さんからいつもの言葉が出てくるが、仕事中に良く聞く嫌味っぽい言い回しではない。
優しい、彼氏としての声だった。
「はい!めっちゃ楽しいです!」
あ……。
しまった……。
年甲斐もなく、はしゃいでしまった……。
加藤さんが目を丸くして私を見ている。
ど、どうしよう……。
そう思っていると、加藤さんが吹き出してから笑い出した。
「ちょっと……!何で笑うんですか!」
「いや……ほんと、予想を裏切らないね」
「ど、どういうことですか……!」
「君は、こういうロマンチックな場所、好きだろう?」
「そ、そんなことは……」
「本当に?」
「…………すみません、すっごい好きです」
私が降参すると、加藤さんは私の頭を撫でてきた。
「こ、こんなところで……」
「ごめん、我慢できなくなった」
何のだよ……!とツッコミたくなった。
だけど、いい加減注文を決めないといけないとも思ったので
「加藤さんのバカ……」
と、軽く仕返しだけしてから、置かれていたメニューに目を落とした。
1番上に書かれているコース料理は5000円。
私の服よりも高い……。
私はさすがにランチで5000円使うのは躊躇われた。
元カレと食べた未来エリアのファストフードでさえ、1000円程度だったが、それでも正直ちょっと高いな……ランド価格だな……と思ってしまう金銭感覚を持っている。
他にないだろうか……。
メニューの他のページを見ようとした時
「綾香、アレルギーないよね」
「え」
「まあ、僕が知らない情報があるなんて許さないけど」
「いや、確かにアレルギーはないですけど」
な、なんだ?
そう思った時だった。
「すみません、コース2つで」
加藤さんが光のスピードで注文を始めていた。