Extra Fight集 〜年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません〜
「あの……加藤さん?」
「……何」

あ、今不機嫌トリガー押したっぽいな、私。

「前は……私にいつ着てくるの……と……脅すようなこと、してませんでしたっけ……?」

私がそう尋ねると、加藤さんはかっと顔を赤くした。
それから少し宙をを見てから、口元を手で隠しながら……。

「始めは……オフィスで見たいと思ったけど……」
「……けど……?」
「…………あれ着た綾香、絶対可愛いから」
「なっ!?」

いきなり名前呼び攻撃もそうだけど……。

「だから加藤さん!」
「だから何」
「急に可愛いとか、前触れなく言うの、やめてもらっていいですか!?心臓に悪いんで」
「……じゃあいつ言えばいいの」
「いつって……それは……」

私は、拗ねる加藤さんを納得させるような最適解を探そうと、必死に考えた。
お腹が空いているせいか、頭がいつもより冴えている、気がした。

「2人きりでデートをしている時……とか?」
「今してるじゃん」

……うん。
やっぱり、気がしてるだけだったー。

「いや……あのですね……確かに今2人きりではありますが、あくまで勤務中のランチ……ですから……」
「僕は最初からデートのつもりだったから」
「えっ……!?」

爆弾、まず1つ目。
< 6 / 58 >

この作品をシェア

pagetop