スタンドバイユー

彼の靴の先にある十円玉を拾おうと手を伸ばした時、彼の靴先が十円玉を踏みつけた。



「……??」



思わず見上げたあたしに、彼が言った。


「…あんた、こんな事してて楽しいの?」


「――えっ……?」


戸惑うあたしに、彼は続ける。


「こんな1時間千何百円って仕事して、バッカみてぇ」


「――なっ!!」



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