スタンドバイユー
吐き捨てるように放たれた彼の言葉。
瞬間的に意味を理解したあたしは、彼の左頬を思いっきり殴っていた。
その拍子に彼のサングラスが取れて床に転がった。
「お前!こんな事してタダで済むと思ってんのか!!俺は俳優の有樹 愛だぞ!!」
わめき散らした彼はあたしの右手首を強く掴んだ。
気がつけばあたしはボロボロに泣いていて、彼はそれにびっくりしたように、
「ふん!ガキなんか相手にした俺がバカだったよ!!」
怒鳴ってお店を出ていってしまった。
後に残ったのは、小銭とサングラスが散らばった真ん中で、へたり込んでそれでも悔しくて泣き続けるあたしの姿だった。
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