スタンドバイユー
そんなあたしの背中をただ、抱き締め返してくれた。


とんとんと、優しいリズムでたたくてのひら。


その感触に、安心して目を閉じる。


「オレ、明日休みだから、泊まっていけよ」


彼の声が、広い胸を通して耳元を通ってゆく。

嬉しい。

すごくすごく。


でも前に、彼がお休みだったのはいつだったっけ?



あたしは少し、考える。



「ねぇ、明日はいいよ。すっごく久しぶりのお休みでしょう?友だちと遊んだら?」


精一杯のあたしの強がり。


だって、強がっていないと、不安は瞬く間にあたしを包んでしまうから。


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