スタンドバイユー
2.
今でも良く、覚えている。


初めて彼と出逢った夜は、夏のにおいがしてそろそろ暑い日が続くという事を教えてくれていた。

また、あの暑い日々が続くんだなぁ。


うんざりしながら、ため息をついてカウンターに頬杖をついた。


そのときのこと。


いつもなら、最低でも10分に1度は開く自動ドアが、


あの夜はタイクツしてアクビするみたいに開いた時、彼が入って来た。



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