一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
なんだかんだ言って私たちが落ち着いたのは結婚してからおよそひと月が過ぎてからになる。
「せっかくの新婚生活が台無しだ」
だだっ広いとすら言えるリビングの真ん中で、深冬は革のソファに腰を下ろして天を仰いだ。
私はというとレンジで温めたあんまんを手に、少しだけ距離を空けて彼の隣に座った。
「本当の夫婦ってわけでもないんだし、このぐらい気楽な方が私はうれしいかな」
「もう少し早く仕事が落ち着くはずだったんだ。あんなに難航しなければ二週間は早くお前と過ごせていた」
「社長って大変だね。これ、半分食べる?」
「食わせてくれるなら」
「じゃああげない」
「せっかくの新婚生活が台無しだ」
だだっ広いとすら言えるリビングの真ん中で、深冬は革のソファに腰を下ろして天を仰いだ。
私はというとレンジで温めたあんまんを手に、少しだけ距離を空けて彼の隣に座った。
「本当の夫婦ってわけでもないんだし、このぐらい気楽な方が私はうれしいかな」
「もう少し早く仕事が落ち着くはずだったんだ。あんなに難航しなければ二週間は早くお前と過ごせていた」
「社長って大変だね。これ、半分食べる?」
「食わせてくれるなら」
「じゃああげない」