一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 だが、私はたったひと言聞いただけで頭が真っ白になってた。

「きれいじゃないよ。胸だって小さいし、手足もひょろ長くてみっともないってお母さんが……。――あっ」

 深冬が温泉の中で私を後ろから抱き締め、うなじに口づけを落とした。

「誰がどう言っていたとしても、俺の感想は俺だけのものだろう。お前はきれいだ」

「ちょ、ちょっと待って。手が……」

 彼は私の肌にキスをしながら、タオルで隠した身体をなでる。

 直接触れられているわけでもないのに彼の指を強く意識して、身体がもどかしさに熱く疼きだした。

「髪はこれ以上短くするな。今のままでいろ」

「どうして……?」

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