一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
事件
十二月が過ぎると、外の空気は一気に秋から冬へ変化した。
あの旅行を経て自分を変えるべきだと思ったはいいが、具体的になにをどうすればいいかまではわかっていない。
結局のところ私は油断しているのだ。
昔と同じように彼が求めてくれるから、結婚して夫婦になったから、解決しないまま日々を過ごしても心の片隅に余裕がある。
深冬に甘えてだらだらと半年を生きるのは嫌だった。
自分でも思い通りにならない未来への不安をどうすれば解消できるのか、最近はそれを考えてばかりいる。