一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
「だから放っておけなくて幸せにしたくなるんだ。もう俺に捨てられるなんて考えるな。失望される心配などしなくていい。いつまでも側にいてやる」

 欲しかった言葉を一番欲しい時に与えられ、我慢できずに自分から深冬へキスを贈る。

「まだ怖いよ。だけど、いつか別れたとしてもあなたと一緒にいたい」

「別れないから心配するな。もう二度とひとりにしない」

 気持ちを認めるとこんなに楽になるなんて知らなかった。

 私が勝手に怖がっていた間も待ち続けた彼の気持ちにようやく応えられる。

「愛してる」

「今はあまり言うな。傷のせいでキスが限界だ」

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