一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
彼は前職で働いていたホテルの上司で、新人の私を外に出しても恥ずかしくないコンシェルジュにしてくれた恩人である。もっとも私自身はまだまだ未熟だと思っているけれど。
『ははは、こういうやり取りもまた同僚としてできるようになるんだもんなぁ』
「またご指導よろしくお願いします」
『硬い硬い! いつも言ってただろ? 肩の力を抜いて自然に笑う。それが僕らコンシェルジュが一番に気を付けることだって』
三年前に私と同じ職場を離れた彼から連絡があったのは半年前。『優秀なコンシェルジュが必要だ』と、ちょうどキャリアアップのために転職を考えていた私を彼が勤めるホテルに引き抜いたのだ。
『ははは、こういうやり取りもまた同僚としてできるようになるんだもんなぁ』
「またご指導よろしくお願いします」
『硬い硬い! いつも言ってただろ? 肩の力を抜いて自然に笑う。それが僕らコンシェルジュが一番に気を付けることだって』
三年前に私と同じ職場を離れた彼から連絡があったのは半年前。『優秀なコンシェルジュが必要だ』と、ちょうどキャリアアップのために転職を考えていた私を彼が勤めるホテルに引き抜いたのだ。