一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
『やっぱり社長のこと、気にしてる?』
私の心を読んだかのように城木さんが心配そうな声で尋ねた。
「なにも気にならないと言ったら嘘になりますが。でも、もう十年も前の話ですから。いろいろありましたけど、だからといって今一番勢いのあるホテルグループの、しかも最も有名なアモラリアで働けるチャンスを逃すわけにはいきませんよ」
少し早口になったように感じたのはきっと気のせいだ。
『それならいいんだけどね。いや、自分で引き抜いておきながら言うのもなんだけど気にしてたんだよ。社長と嫌な思い出でもあったらどうしようかなーと』
それはもうトラウマ級の思い出がありますとも。とは言わない。
私の心を読んだかのように城木さんが心配そうな声で尋ねた。
「なにも気にならないと言ったら嘘になりますが。でも、もう十年も前の話ですから。いろいろありましたけど、だからといって今一番勢いのあるホテルグループの、しかも最も有名なアモラリアで働けるチャンスを逃すわけにはいきませんよ」
少し早口になったように感じたのはきっと気のせいだ。
『それならいいんだけどね。いや、自分で引き抜いておきながら言うのもなんだけど気にしてたんだよ。社長と嫌な思い出でもあったらどうしようかなーと』
それはもうトラウマ級の思い出がありますとも。とは言わない。