一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 白を基調とした落ち着きのある内装。足の裏がふんわり沈むほど柔らかなじゅうたんは、冷え切った肌を温かく包み込んでくれる。宿泊する部屋が二十三階なのもあり、大きな窓からはかなり遠くまで夜景が見えそうだ。今は空を真っ白にする勢いで雪が降っているため、残念ながらよく見えない。

 窓の側にはひとり掛けソファがふたつ向かい合っており、その真ん中にガラスの丸テーブルがある。夜景を見ながらルームサービスを楽しめるのだろう。想像しただけでもおしゃれでわくわくしてしまうが、景色はまた今度になりそうだ。

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