お嬢様の憂鬱【上】






体が凍ったように動かない





どんどん男は近付いて来る



そして、あたしの肩に触れようとした瞬間





「・・・さ・・・わら・・ないで」






と、とっさに出た言葉だった




男は一瞬悲しい顔をした





そして

「そうか・・・」



と言ったっきり彼も黙り込んでしまった






男の顔をあたしはまじまじと見た





すると、何処かで見たような顔だったがその顔を思い出すことは出来なかった




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