お嬢様の憂鬱【上】



――るなの病室――



「るな…ごめんね…わたしがあなたを苦しめなければこんなことにはならなかったのに…」




と、るなのお母さんはごめんね、ごめんね…とつぶやいている



なつきがここを去ってからもずっとだ





なるが死んでからわたしの時間が止まった




だけど、るなの時間はどんどん過ぎて行った




あの頃のたくさん傷ついた過去の記憶を忘れるために



きっとわたしのことも恨んでいるんだろう



< 162 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop