お嬢様の憂鬱【上】
「あの、これ返します」



先に、沈黙を破ったのは



私だ。




それに答えるように


イケメン♂は



私の方へ近づき、顔を近付けた



一瞬、キスされるかと思って



目をつむる



「・・・・」



私は目をつむったまま動く事が出来ない



彼はクスッと笑うと



耳元で



「HappyBirthday月・・・」




低く、重みのある声で言った





そして、イケメン♂は


名前も名乗らず、


風のように去って行った



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