お嬢様の憂鬱【上】
「あたしね、両親からよく思われてなかったって知ってた?よく思われていたのは…あたしのお姉ちゃんで…」
そう、あの頃は毎日が地獄だった
なるちゃんなるちゃん
あたしが何か失敗するたびに
あんたはなるちゃんと違って…
あたしには何が足りないの?
どうしたらなる姉ちゃんになれるの?
どうしたら…
「事故にあって記憶がなくなって、目が覚めたときにはいて…あたし、過去のことなんにも分からないからその人がお母さんなんだな。って思いこんでた」
それなのに
「記憶が戻ってよくよく考えてみたら、なんで?…みたいな」