お嬢様の憂鬱【上】
あの時、お母さんに
(ちょっとだけ過去)
「あんた、春日企業の社長の息子さんと付き合っていたそうね」
「春日企業・・・??誰の事??・・」
「春日はるとよ。まさか、知らなかったの??!一ノ瀬と春日は犬猿のライバルなのよ??!そんな春日家の人と馴れ合うなんて、一ノ瀬の恥よ!!!」
そういうと、
お母さんはあたしを
殴り始めた
これが、世間でいう虐待っていうものに気付く時間は
そんなに必要なかった
あたしは、この日
声を押し殺して泣いた。