片恋
「冷たい言い方するねぇ。俺たちの仲じゃん」

「あのね、延藤くん……──」

「コ、コウくん、あとで少し時間もらえない?」


私たちの間に、ひとりの女子生徒が割り込んできた。

クラス替えがあったばかりで、全員の顔を覚えたわけじゃないけど、同じクラスではなさそう。

「コウくん」は確か、延藤くん自身が呼んで欲しがっていた愛称だったはず。


彼女から少し離れた場所では、三人の女子が小声で「頑張れ!」と、エールを送っている。


これはもしかして、告白……?
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