片恋
*
「まっ、待って……、はやい……っ」
「あー、ごめん。真桜ちゃん、女子だったね」
ほとんど全速力で廊下を走り抜けた延藤くんは、涼しい顔で立ち止まる。
手をつかまれてそのスピードに合わせていた私は、肩で息をするのに精一杯。
喉が乾いて張り付いて、苦しい。
「真桜ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫……じゃない!」
「少し休む?」
「そういう意味じゃなくて……っ」
胸に手を当てて、叫ぶようにカサカサになった声を絞り出す。
「まっ、待って……、はやい……っ」
「あー、ごめん。真桜ちゃん、女子だったね」
ほとんど全速力で廊下を走り抜けた延藤くんは、涼しい顔で立ち止まる。
手をつかまれてそのスピードに合わせていた私は、肩で息をするのに精一杯。
喉が乾いて張り付いて、苦しい。
「真桜ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫……じゃない!」
「少し休む?」
「そういう意味じゃなくて……っ」
胸に手を当てて、叫ぶようにカサカサになった声を絞り出す。