片恋
「真桜、メロンパン好き?」

「うん、好き……」

「じゃあ、これあげる」

「えっ、い、いいよ、そんな、もらえない。それ、伊月くんのお昼でしょ」

「俺、さっき一個別の食べたし。……じゃあ、はい、半分」


半分と言いながら、手でふたつに割ったパンは微妙に大きさが違っていて、大きい方を私に差し出してくれた。


「今日、真桜のせいで食欲無かったから。せめて、半分もらって」

「わ、私!? の、せい? え?」

「いいや、聞き流して、今の」

「えっと……? あ、ありがとう……」


真桜のせいって、私、何かしたかな。
< 167 / 412 >

この作品をシェア

pagetop