片恋
私のそんな気持ちをあざ笑うかのように、無情にも校内にチャイムが鳴り響く。

お昼休み……終わっちゃった……。


ここを出ればまた、ふたりきりじゃなくなる。

次の休み時間がきても、伊月くんとは一緒にいられない。


「一緒に戻ると変に思われるから、私先に行くね」


そう言いながらも、名残惜しい感情が顔に表れてしまったと思う。

立ち上がろうとする足も、重たい。
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