片恋
やだな……、教室戻りたくない。


「あのさ、真桜」

「え?」

「延藤のこと好きじゃないって言ったの、本当なんだよな?」


念を押すように確かめる伊月くんの、目を見つめる。


「うん、本当。彼女っていうのも、フリをしてるだけだから」


だって私が好きなのは……。

今、このタイミングで、この状況で言うべきじゃないって分かっているけど、好きの気持ちが溢れそうになる。
< 170 / 412 >

この作品をシェア

pagetop