片恋
*
トイレから出て、ため息と共に、かばんから財布を出す。
どれくらいの金額を置いていくといいかな。
えーと、学生料金で、ワンドリンク付き一時間が……。
「真桜ちゃん、帰んの?」
「っ!!」
うつむいて財布を見ていたから、そばで名前を呼ばれて、小銭をばら撒いてしまいそうになった。
「び、びっくりした……、延藤くん、なんで?」
「真桜ちゃんが出て行くの見えたから」
「そうなんだ……。ちょうど良かった。延藤くんに、私の分のお金渡していいかな?」
「あー、いいよ、いらない。真桜ちゃんの分は、俺が出す」
「なんで? そんなことしてもらう理由……」
「理由なら、あるある。だって、彼女じゃん」
「……」
トイレから出て、ため息と共に、かばんから財布を出す。
どれくらいの金額を置いていくといいかな。
えーと、学生料金で、ワンドリンク付き一時間が……。
「真桜ちゃん、帰んの?」
「っ!!」
うつむいて財布を見ていたから、そばで名前を呼ばれて、小銭をばら撒いてしまいそうになった。
「び、びっくりした……、延藤くん、なんで?」
「真桜ちゃんが出て行くの見えたから」
「そうなんだ……。ちょうど良かった。延藤くんに、私の分のお金渡していいかな?」
「あー、いいよ、いらない。真桜ちゃんの分は、俺が出す」
「なんで? そんなことしてもらう理由……」
「理由なら、あるある。だって、彼女じゃん」
「……」