片恋
*
同時にお店を出たからといって、一緒に帰る必要はないのでは?
それに気づいたのは、五分ほど隣を歩いてからだった。
カラオケが好きじゃないと発言してから、延藤くんはあからさまに元気がない。
なんだろう……。
「延藤くん、すごく歌上手いんだね。びっくりした」
「ん? あんなの、大したことないでしょ。俺レベルなんか、いっぱいいるし」
「そんなことないよ。聴き入っちゃったもん」
「はは。伊月の歌声に慣れてる真桜ちゃんには、聴かせたくなかったけどね」
「どうして?」
なんでそこで、伊月くんが出てくるんだろう。
同時にお店を出たからといって、一緒に帰る必要はないのでは?
それに気づいたのは、五分ほど隣を歩いてからだった。
カラオケが好きじゃないと発言してから、延藤くんはあからさまに元気がない。
なんだろう……。
「延藤くん、すごく歌上手いんだね。びっくりした」
「ん? あんなの、大したことないでしょ。俺レベルなんか、いっぱいいるし」
「そんなことないよ。聴き入っちゃったもん」
「はは。伊月の歌声に慣れてる真桜ちゃんには、聴かせたくなかったけどね」
「どうして?」
なんでそこで、伊月くんが出てくるんだろう。