片恋
「こないだの席替え、真桜はハズレだったね。伊月くんの隣なんてさ」
「え?」
教室の黒板の前で、一番後ろの席を眺めながら、友達の成美ちゃんが私に苦笑いを向けた。
「ハズレって?」
「だってさ、何考えてんのか分かんなくて怖くない? 誰とも喋ろうとしないし。いつもイヤホンして何か聴いてるだけだし。顔はかっこいいけどさぁ」
「うん、喋んないよね……」
机が大きいせいで、教室内の通路に余裕がないという理由で、ふたつずつくっついた生徒同士の机。
教室の一番後ろ、窓際から二番目の席。
二日前、高校に入学して初めての席替えがあった。
私の隣は、伊月くん。
彼は、私が今一番気になっている人だ。
「え?」
教室の黒板の前で、一番後ろの席を眺めながら、友達の成美ちゃんが私に苦笑いを向けた。
「ハズレって?」
「だってさ、何考えてんのか分かんなくて怖くない? 誰とも喋ろうとしないし。いつもイヤホンして何か聴いてるだけだし。顔はかっこいいけどさぁ」
「うん、喋んないよね……」
机が大きいせいで、教室内の通路に余裕がないという理由で、ふたつずつくっついた生徒同士の机。
教室の一番後ろ、窓際から二番目の席。
二日前、高校に入学して初めての席替えがあった。
私の隣は、伊月くん。
彼は、私が今一番気になっている人だ。