片恋
「はあ……」


ため息は何回しても、し足りない。


「またため息ついてる。一生分の幸せ、逃げたかもね」

「っ!!」


その言葉と共に、ピタッと頬に氷のように冷たいものが当てられて、飛び跳ねそうになった。


延藤くんが、缶ジュースをふたつ手に、私の隣に座る。


なんだ、いたんだ。
< 249 / 412 >

この作品をシェア

pagetop