片恋
「ん」


と、差し出すのは、メロンソーダ。

え、またメロンソーダ買ったの?


「ありがとう……」

「いーえ。さっき、俺が飲んでるの、うらやましそうにしてたから」

「してないけど……」


なにこれ、優しさ?

なんで?


「いくらだった?」

「いいよ、これくらい」

「ううん、払わせて」


私に、延藤くんに、奢られる理由はないはずだし。


「じゃあ、130円」

「130円ね。はい、ありがとう」
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