片恋
*
「少し落ち着いた?」
「はい、すいません……」
目の前で一通り泣きはらした私は、今井先生に連れられて、保健室に来ていた。
養護教諭の先生は今日出張で、本来なら閉まっている鍵を特別に開けてもらった。
今井先生はおまけに、温かいココアまで淹れてくれた。
ふかふかの長椅子に座り、両手でカップを包む。
甘い香りがするのはココアじゃなくて、隣に座る今井先生から。
香水とか使ってるのかな。
大人の女性って感じがして、うらやましく思う。
今井先生が私の立場なら、きっとこんな風に人前で乱れたりはしなかっただろう。
「少し落ち着いた?」
「はい、すいません……」
目の前で一通り泣きはらした私は、今井先生に連れられて、保健室に来ていた。
養護教諭の先生は今日出張で、本来なら閉まっている鍵を特別に開けてもらった。
今井先生はおまけに、温かいココアまで淹れてくれた。
ふかふかの長椅子に座り、両手でカップを包む。
甘い香りがするのはココアじゃなくて、隣に座る今井先生から。
香水とか使ってるのかな。
大人の女性って感じがして、うらやましく思う。
今井先生が私の立場なら、きっとこんな風に人前で乱れたりはしなかっただろう。