片恋
これまでの、嘘みたいな『好きかも』とか、思わず疑っちゃうような『急に好きになった』とは、違う。


ヘラヘラ笑って、なんでも軽く言ってしまう延藤くんじゃない。

目の前にいるのは、真剣に告白をする、同い年の男の子。


その相手は……私?


「あ、の……、でも私は……」

「知ってる。伊月が好きなんでしょ」

「……」


言い当てられても、素直にうなずくことができない。

この『好き』は、憧れの延長線上のものかもしれないから。
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