片恋
「いっ、伊月くん……!? だ、だ、大丈夫?」


体調を心配しつつも、肩にかかる重みに、動揺が止まらない。


「うん……。俺、真桜と延藤が付き合い始めた時、最初はあんなこと言ったけど……、本当はすごく心配だったんだ」

「え? 心配?」


なんの心配だろう……。

延藤くんが最初は、私に冷たくしていたことかな。


「大丈夫だよ。延藤くん、最初はちょっとあれな感じだったけど、最近は優しくしてくれてるから」


伊月くんが顔を上げて、私の目を見て、ムッとする。
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