片恋
「ごめんごめん、急にお腹痛くなっちゃってさぁ」

「もう、きたなーい! 蕪木さん、本当にこんな奴が彼氏で大丈夫?」


延藤くんが中心にいて、楽しそうに取り囲むクラスメイトと、そこに私がいる。


今日、私が延藤くんに別れを告げたら、きっともう、こんな風に話しかけてくれることはなくなるだろう。


学校に来る前までは、それでも構わないと決意出来たのに、いざこの場に立って空気を実感すると、少し怖気(おじけ)付いてしまう。
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