片恋
「真桜ちゃん、本当に伊月と仲いいんだね」

先生が教卓に立って、延藤くんは私に小声で話しかける。


あの告白は、やっぱり冗談だったのかな。

本当に好きだったら、他の異性と仲良くしてたら、そんなにサラッと言えないと思う。

少なくとも、私はそう。

……冗談だったとしても、返事はきちんとしないと。

私が好きなのは、伊月くんだけだから。


「あの、延藤くん」

「真桜ちゃんと伊月って、何がきっかけでそんな仲良くなったの?」


話しかけようとしたら、私の言葉をさえぎって、延藤くんが問いかけてきた。
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