片恋
今日も、伊月くんのイヤホンの片耳を借りながら、自分の情けなさに、密かに落ち込んでいた。


告白をすると、成美ちゃんに宣言をした次の日。

伊月くんとふたりきりになった時に、前日のことを謝った。


主語もなく、突然私に「ごめんなさい」と言われた伊月くんは、一瞬固まって、


『びっくりした。何のことか分かんないけど、いきなり謝るから、俺フラれでもするのかと思った』


そう言って、ホッとしたように笑う顔が眩しくて、続きを何も口にすることが出来なかった。
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