片恋
*
伊月くんの心の中だけ、透けて見えたらいいのに。
初めて、そんなことを思った。
「うう……」
窓際で伊月くんと別れて、自分の席に戻り、頭を抱える。
「……真桜ちゃん、大丈夫?」
私の姿は、隣の延藤くんからも異様なものとして映ったのだろう。
いつも明るい彼からはめずらしく、少し引いているような声色が隣から届いた。
伊月くんの心の中だけ、透けて見えたらいいのに。
初めて、そんなことを思った。
「うう……」
窓際で伊月くんと別れて、自分の席に戻り、頭を抱える。
「……真桜ちゃん、大丈夫?」
私の姿は、隣の延藤くんからも異様なものとして映ったのだろう。
いつも明るい彼からはめずらしく、少し引いているような声色が隣から届いた。