片恋
それじゃあ……、どうして延藤くんが知ってるの?


伊月くんはきっと、自分がナデシコであることは隠したいはず。

私に打ち明けてくれたのだって、奇跡みたいなこと。


延藤くんに、話をしなきゃ。


授業中、普段と何も変わらない表情でノートをとる彼を、私はずっとそんなことを考えながら、見つめていた。
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