片恋
*
「ちょ、ちょっと、待って……、え、……っ延藤くん!」
延藤くんに手を強く引かれ、廊下を走って、階段裏の人気のないところへ。
息が上がりながらも、精一杯に叫んで、手を振り払った。
「……延藤くん、どうして?」
「どうしてって、なんのこと?」
「全部だよ。ナデシコの正体のこととか、私の気持ち知ってて、わざと伊月くんに誤解されるようなこと言ったこととか、全部」
「あー、やっぱり真桜ちゃんだけは、知ってるんだ。ナデシコが伊月だってこと。本人に聞いたの?」
「延藤くんは、なんで?」
「そんな顔しないでよ。真桜ちゃん、怒った顔も可愛いけどさ」
「延藤くん」
「ちょ、ちょっと、待って……、え、……っ延藤くん!」
延藤くんに手を強く引かれ、廊下を走って、階段裏の人気のないところへ。
息が上がりながらも、精一杯に叫んで、手を振り払った。
「……延藤くん、どうして?」
「どうしてって、なんのこと?」
「全部だよ。ナデシコの正体のこととか、私の気持ち知ってて、わざと伊月くんに誤解されるようなこと言ったこととか、全部」
「あー、やっぱり真桜ちゃんだけは、知ってるんだ。ナデシコが伊月だってこと。本人に聞いたの?」
「延藤くんは、なんで?」
「そんな顔しないでよ。真桜ちゃん、怒った顔も可愛いけどさ」
「延藤くん」