エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
その後、どこからかもうひとり、ガタイのいい男性が現れた。
私は前後を固められるようにして、八重洲側から駅を出てすぐのところにあった、四角い箱のような交番に入った。
受付カウンターの奥の狭い部屋に連行され、思わず室内を見回す。
四角い簡易テーブルとパイプ椅子しかない。
これが、ドラマでよく見る取調室だろうか。
この時には、意味のわからなさと警察に囲まれている恐怖で、私は竦み上がっていた。
縋る思いで、女性からもらった紙バッグを抱きしめようとすると――。
「それ、こちらに。調べさせていただきます」
「え? あっ!」
後から増えたガタイのいい男性に、引ったくられた。
「それは、さっき……」
「私は警視庁捜査一課の警部、新海と申します」
最初の男性に自己紹介を挟まれ、グッと声をのみ込む。
「そちらは、厚生労働省麻薬取締部の捜査官、田込です」
「えっ。麻薬……?」
物騒なワードが耳に飛び込んできて、ギクッとした。
新海さんという警部さんから、麻薬取締部の捜査官と紹介された田込さんは、私に構うことなく、白い手袋を嵌めた手で、紙バッグから小さな箱を取り出している。
私はその様を視界の端で気にしながら、新海さんの方に向き直った。
「あの……そういうおふたりが、私にどんなご用ですか」
普通に真面目に生きていれば、縁のない職種の方たちだ。
私は前後を固められるようにして、八重洲側から駅を出てすぐのところにあった、四角い箱のような交番に入った。
受付カウンターの奥の狭い部屋に連行され、思わず室内を見回す。
四角い簡易テーブルとパイプ椅子しかない。
これが、ドラマでよく見る取調室だろうか。
この時には、意味のわからなさと警察に囲まれている恐怖で、私は竦み上がっていた。
縋る思いで、女性からもらった紙バッグを抱きしめようとすると――。
「それ、こちらに。調べさせていただきます」
「え? あっ!」
後から増えたガタイのいい男性に、引ったくられた。
「それは、さっき……」
「私は警視庁捜査一課の警部、新海と申します」
最初の男性に自己紹介を挟まれ、グッと声をのみ込む。
「そちらは、厚生労働省麻薬取締部の捜査官、田込です」
「えっ。麻薬……?」
物騒なワードが耳に飛び込んできて、ギクッとした。
新海さんという警部さんから、麻薬取締部の捜査官と紹介された田込さんは、私に構うことなく、白い手袋を嵌めた手で、紙バッグから小さな箱を取り出している。
私はその様を視界の端で気にしながら、新海さんの方に向き直った。
「あの……そういうおふたりが、私にどんなご用ですか」
普通に真面目に生きていれば、縁のない職種の方たちだ。