エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
純平さんが私を乱し、満足そうな顔をするのが嬉しくて、求められたい一心で、もっともっとと欲しがった。
自分の甘ったるい声が鼓膜に焼きついていて、頭の中で反響している。


――いや。いやいやいや……!
朝になって、冷静に戻って思い出すと、顔から火が噴きそうなほど恥ずかしい……!!


「わ、私、純平さんに似て、エッチになっちゃったのかな……」


頭のてっぺんから、シューッと蒸気が上るくらい頬が熱い。
私は、お腹の底から、「はーっ」と深い息を吐き出した。


求められて差し出して、潤い満たされる――。
事後の身体に残った、言い様のない気怠さにも、喜びを覚える。
でも、多幸感と言うには、なにか足りない。


「…………」


それがなにかは、ちゃんと自分でもわかっている。
純平さんに抱かれるのが嬉しくて幸せなのは、恋をしている私だけ。
彼の方は、私に好意があるわけじゃなく、初めての時も昨夜も求めるものは、そこから得られる愉楽、悦楽、快楽だ。
純平さんが私のことを好きで触れてくれたら、どれほどの幸福に浸れるだろう……。
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