エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「あ、あの?」
ふたりに交互に目を向けて探る私に、「お気になさらず」とうそぶいた。
「休日の朝っぱらからお訪ねして、申し訳ありません。確認していただきたいものがあり、参りました」
一瞬前までの緩い空気を瞬時に引き締め、姿勢を正して切り出されて、私も自然と背筋が伸びる。
「私たち瀬名班が、現在なんの事件を捜査しているか……それは、菅野さんもご存じですよね?」
チラリと探る視線に、私は頷いて応えた。
「は、はい。私、東京駅で、じゅん……瀬名さんの部下の刑事さんに、任意同行を求められて」
『職場の同僚にまで、偽装結婚を吹聴して回る必要はない』と言われたのを思い出し、とっさに呼び方を替えた。
朝峰さんは気に留めた様子はなく、何度か相槌を打つ。
「その後、あなたは男に尾け狙われるようになり、瀬名さんに保護された。間違いありませんね?」
素直に頷いていいものか判断に困り、答えを求めて純平さんに視線を流した。
彼は言葉を挟むでもなく、口元に手を遣って、なにか思案している。
「は……い」
結局私は、ためらいながら肯定した。
朝峰さんが、口元に薄い笑みを浮かべる。
「あなたがここで暮らしている経緯、私は瀬名さん本人から聞いてますから、ご心配なく」
「あ、そう、なんですか」
と言うことは、彼は純平さんからの信頼が厚いのだろう。
ふたりに交互に目を向けて探る私に、「お気になさらず」とうそぶいた。
「休日の朝っぱらからお訪ねして、申し訳ありません。確認していただきたいものがあり、参りました」
一瞬前までの緩い空気を瞬時に引き締め、姿勢を正して切り出されて、私も自然と背筋が伸びる。
「私たち瀬名班が、現在なんの事件を捜査しているか……それは、菅野さんもご存じですよね?」
チラリと探る視線に、私は頷いて応えた。
「は、はい。私、東京駅で、じゅん……瀬名さんの部下の刑事さんに、任意同行を求められて」
『職場の同僚にまで、偽装結婚を吹聴して回る必要はない』と言われたのを思い出し、とっさに呼び方を替えた。
朝峰さんは気に留めた様子はなく、何度か相槌を打つ。
「その後、あなたは男に尾け狙われるようになり、瀬名さんに保護された。間違いありませんね?」
素直に頷いていいものか判断に困り、答えを求めて純平さんに視線を流した。
彼は言葉を挟むでもなく、口元に手を遣って、なにか思案している。
「は……い」
結局私は、ためらいながら肯定した。
朝峰さんが、口元に薄い笑みを浮かべる。
「あなたがここで暮らしている経緯、私は瀬名さん本人から聞いてますから、ご心配なく」
「あ、そう、なんですか」
と言うことは、彼は純平さんからの信頼が厚いのだろう。