エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
***
GWが終わり二日経った退勤時――。
「あ、あれ?」
帰宅しようとして、私はエントランスに朝峰さんを見つけて立ち止まった。
彼の方も私に気付いて、『あ』という形に口を動かし、弾むような足取りで駆け寄ってくる。
「お疲れ様、菅野さん」
「お疲れ様です。……あの、今日はどうしたんですか?」
純平さんの部下である彼が、私に協力を求めて訪ねてきたのは、つい一昨日のこと。
それからまたすぐ会うとは、思ってもいなかった。
「もしかして、捜査になにか進展が……」
目の前まで来て足を止めた彼に、辺りを気にしながら声を潜める。
「いや、残念ながら、そうじゃない。これは半分仕事、半分息抜き……と言うか」
「は?」
朝峰さんがなにを言いたいのかわからず、首を傾げた私を、彼は肩を竦めてクスッと笑い……。
「瀬名さんから聞いてない? 事情を知る部下として、俺も君の護衛に協力させてもらうって」
「え? あ」
一昨日の夜――。
仕事から帰ってきた純平さんが、そんなようなことを私に告げた。
GWが終わり二日経った退勤時――。
「あ、あれ?」
帰宅しようとして、私はエントランスに朝峰さんを見つけて立ち止まった。
彼の方も私に気付いて、『あ』という形に口を動かし、弾むような足取りで駆け寄ってくる。
「お疲れ様、菅野さん」
「お疲れ様です。……あの、今日はどうしたんですか?」
純平さんの部下である彼が、私に協力を求めて訪ねてきたのは、つい一昨日のこと。
それからまたすぐ会うとは、思ってもいなかった。
「もしかして、捜査になにか進展が……」
目の前まで来て足を止めた彼に、辺りを気にしながら声を潜める。
「いや、残念ながら、そうじゃない。これは半分仕事、半分息抜き……と言うか」
「は?」
朝峰さんがなにを言いたいのかわからず、首を傾げた私を、彼は肩を竦めてクスッと笑い……。
「瀬名さんから聞いてない? 事情を知る部下として、俺も君の護衛に協力させてもらうって」
「え? あ」
一昨日の夜――。
仕事から帰ってきた純平さんが、そんなようなことを私に告げた。