エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「なん……なんなんですか、その言い方。朝峰さんに優しくって。大事にって……」
私は込み上げるものに声を詰まらせ、大きくズッと洟を啜った。
「私だって、純平さんに散々迷惑かけてること、自覚してます。すごく申し訳ないと思ってる。だから、どんなに冷たくされても、意地悪されても平気です。でもっ……」
一気にせり上がってくる嗚咽で、ひくっと喉を鳴らす。
「他の人に抱かれろ、みたいに言われたら、傷つきます! 私は、純平さんの子猫ちゃんじゃない!! 純平さんが出ていってほしいと思ってるなら、朝峰さんを言い訳にされなくたって、自分の意志で出ていきますっ!」
なんとかそれだけ言い切ったものの、猛烈な怒りと悲しみが抑えられない。
「うっ。ううううっ……」
堪えきれずに頽れ、堰を切ったように嗚咽を漏らした。
純平さんは私の剣幕にのまれ、呆気にとられていたけれど。
「……おい」
若干戸惑い気味に呟き、私の前に片膝をついた。
どこか怖々と手を動かし、伏せた顔を隠す髪を退けようとする。
「嫌っ! 触んないでっ」
私は全身で拒み、パシッと音を立てて彼の手を振り払った。
純平さんは、ビクッと手を引っ込めた。
そして、ひくっひくっとしゃくり上げる私に、
「……言いすぎた。謝るから、泣くな」
途方に暮れたような溜め息を漏らし、歯切れ悪く宥める。
私は込み上げるものに声を詰まらせ、大きくズッと洟を啜った。
「私だって、純平さんに散々迷惑かけてること、自覚してます。すごく申し訳ないと思ってる。だから、どんなに冷たくされても、意地悪されても平気です。でもっ……」
一気にせり上がってくる嗚咽で、ひくっと喉を鳴らす。
「他の人に抱かれろ、みたいに言われたら、傷つきます! 私は、純平さんの子猫ちゃんじゃない!! 純平さんが出ていってほしいと思ってるなら、朝峰さんを言い訳にされなくたって、自分の意志で出ていきますっ!」
なんとかそれだけ言い切ったものの、猛烈な怒りと悲しみが抑えられない。
「うっ。ううううっ……」
堪えきれずに頽れ、堰を切ったように嗚咽を漏らした。
純平さんは私の剣幕にのまれ、呆気にとられていたけれど。
「……おい」
若干戸惑い気味に呟き、私の前に片膝をついた。
どこか怖々と手を動かし、伏せた顔を隠す髪を退けようとする。
「嫌っ! 触んないでっ」
私は全身で拒み、パシッと音を立てて彼の手を振り払った。
純平さんは、ビクッと手を引っ込めた。
そして、ひくっひくっとしゃくり上げる私に、
「……言いすぎた。謝るから、泣くな」
途方に暮れたような溜め息を漏らし、歯切れ悪く宥める。