エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「東京駅と日本橋、二か所に現れた作倉を、同一人物であると科学的に証明……か。いったいどんな手を使った?」
質問で返す俺の前で、鷹揚に腕組みをする。
「これを見てください」
手に持っていたタブレット端末を、俺の方に傾けて画面を共有し、指先でサッと操作した。
作倉に関するフォルダを展開する。
これまで、もう何度も目にした動画や画像データだ。
「瀬名さんが撮影した動画です」
画面中央に、デパートの正面玄関にある、立派な太い柱が映り込む。
作倉はその側面に手を突いて立ち、もう片方の手のスマホに目を落としている。
「柱に突いた手にご注目ください。今、顔のすぐ横です」
「ああ」
しかし、動画が進む中、その手の位置は忙しなく変わる。
そして、
「ここです」
朝峰が、映像を停止させた。
「……?」
俺はタブレットに目を凝らし、眉をひそめた。
作倉の手は、頭上高くに移動していた。
柱に寄りかかり、大きく伸びをするような体勢。
彼と直角の位置に立っていた女性が、肩越しに見遣っている様子が窺える。
朝峰が一時停止を解除すると、女性はそそくさと移動していった。
「この体格でやられたら、威圧感があるな。落ち着きがないし、女性が気味悪がるのも当然だ」
質問で返す俺の前で、鷹揚に腕組みをする。
「これを見てください」
手に持っていたタブレット端末を、俺の方に傾けて画面を共有し、指先でサッと操作した。
作倉に関するフォルダを展開する。
これまで、もう何度も目にした動画や画像データだ。
「瀬名さんが撮影した動画です」
画面中央に、デパートの正面玄関にある、立派な太い柱が映り込む。
作倉はその側面に手を突いて立ち、もう片方の手のスマホに目を落としている。
「柱に突いた手にご注目ください。今、顔のすぐ横です」
「ああ」
しかし、動画が進む中、その手の位置は忙しなく変わる。
そして、
「ここです」
朝峰が、映像を停止させた。
「……?」
俺はタブレットに目を凝らし、眉をひそめた。
作倉の手は、頭上高くに移動していた。
柱に寄りかかり、大きく伸びをするような体勢。
彼と直角の位置に立っていた女性が、肩越しに見遣っている様子が窺える。
朝峰が一時停止を解除すると、女性はそそくさと移動していった。
「この体格でやられたら、威圧感があるな。落ち着きがないし、女性が気味悪がるのも当然だ」