エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
瀬名さんはせいぜい三十代半ばくらいだから、きっとキャリア組だろう。
キャリア組にも二種類あって、国家公務員総合職採用試験か、一般職採用試験、どちらを受けるかでも、また違うらしい。


警察庁の所属ということは、多分前者。
一年に数名しか採用されない、エリート中のエリート。
刑事ではなく、警察官僚と呼ぶようだ。
それほどの人なら、あの時の壮絶に偉そうな態度にも納得がいく。


私はスマホから目を離し、天井を仰いで「ふーっ」と息を吐いた。
今さらだけど、すごい人に出会っちゃったな。
普通に生活してたら、職業的にも顔面偏差値的にも絶対知り合いになれない、ハイスペックな人……。


「お礼、なにがいいかなあ……」


なに不自由なさそうなイケメンだから、というだけじゃなく、私が生まれてこの方男性とお付き合いしたことがないせいで、どんなお礼なら喜ばれるか、アイデアが浮かばない。
私は、のぼせるまで湯舟に浸かって、考え続けた。
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